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卑怯道奥義大全

Noと言える日本人

旅行先でトラブルに見舞われやすいタイプの人っているじゃないですか。
何か動きや目つきが不自然だったりしてね。
こーゆー人って、コミュニケーションにも問題を抱えてる場合が多いですな。
話をしても、相手が言ったことを分かってるんだか、分かってないんだかがよく分からん。
ま、外国語でのコミュニケーションに舞い上がっちゃってるんだろうね。

そんな人でも、日本語でコミュニケートしてる分には、もちろん大抵のことは上手く運ぶ。
これには2つ理由があると思いますね。

ひとつは、言うまでもないけど、日本語がネイティブ言語だから。
言いたいことと、口から実際に出てくる言葉に、違いがないわけですな。
もうひとつは、日本人特有の曖昧さ (行間を読むでもワビサビでもいいけど) のために
明確な物言いをしなくても、話が通ってしまうこと。

この曖昧さにどっぷり漬かってると、外国でのコミュニケーションは非常に難しくなる。
そりゃもちろん、ネイティブとまったく同じレベルで話せるんなら問題ないっすよ。
「細かいことにこだわる人だなあ」とは思われるかもしれないけど、まあそれはそれでいい。
だけど実際には、ネイティブ並みに話すなんて夢のまた夢なので、曖昧さを排除することが
最重要課題になるわけですな。

そういったわけで、曖昧さの排除のためには、物事をシンプルに捉えなきゃいけません。
ま、シンプルじゃないと、意味が分からん、ってことなんだけどさ。
つーことで、スペイン語で最も大切な言葉は、重要な順番に次の3つです。

1. No entiendo.
2. No.
3. Si.


最重要が「分からん」、次が「違います」、で、最後が「はいそうです」
この順番が逆になると最悪だからね。

相手が何かしゃべってる。うーん、よく分かんないなあ…。あれ、何か私に聞いてるな?
何のこっちゃ? まあでも、何かリアクションしないとまずいよな。聞かれてるわけだし。
ま、とりあえず相槌のつもりで… 「Si, Si ...」

あかん! 最悪じゃ!
そーゆー時は、「No entiendo」って言わなあかんて。
相手だって、こっちが外国人でスペイン語あんまりできないの知ってるんだから、安易に
分かったようなふりをしてはならんのです。「Si」ってのは、相当の覚悟で使うべし。

日本人は、外国人相手だと、相手に分かるようにしゃべろうとするじゃないすか。
ロクにできないのに英語使っちゃったり、日本語でも変なイントネーションでしゃべったり。
だけどそれは、日本の特殊事情なんだよね。

海外では、あなたに向かってやさしく (赤ちゃんに話すようには) しゃべってくれません。
彼らはそれを、あなたを馬鹿にした失礼なことだと考えてるからです。
ただ、彼らはあなたがネイティブじゃないことを知ってるわけだから、理解するまで説明する
ことは、自分の義務だと考えてくれます。
最初は普通にしゃべってみて、駄目なら、相手のレベルに合うまで落とすんですな。
だから、「分からん」って言うことが重要なんですよ。

うーむ、能書きが長くなってしまったな。
この件については、言いたいことはたくさんあるんだけど、ま、この辺にしときましょう。

つーわけで、否定語は重要なんであります。
スペイン語の否定語は、英語と違う使い方をするものがあるので、そのあたりを注意して
やりませう。

肯定語 否定語
algo (something) 何か nada (nothing) 何も〜ない
alguien (somebody) 誰か nadie (nobody) 誰も〜ない
alguno (some, someone) 何かの・いくつかの 誰か ninguno (not...any) 何の〜もない 誰も〜ない
tambien (also, too) 〜もまた tampoco (neither) 〜もまた〜ない
siempre (always) いつも nunca, jamas (never) 決して〜ない
casi (almost) ほとんど apenas (hardly) ほとんど〜ない

おお! 何だか久しぶりに本格的じゃないの!
たまには表にしてみるのもいいもんやね。

じゃ、あとは適当に見といてくれい! ほいじゃ、また来週!
…ってわけにはいかないわな。

スペイン語の否定語は曲者なんですよ。特に英語ができる人にとってね。
えー、簡単に言いますと、スペイン語には二重否定がないんです。
え、簡単じゃないって? まあそうですな。ここがキモなんでね。
まずは例文を見て下され。
(Yo) No se nada. (あたしゃ何も知らん)

これを英語にそのまま訳すと、I don't know nothing. っていう謎の文章になるんですな。
正しい英語は、I don't know anything. か、I know nothing. のどっちかですね。
英語は、どこか一個所で否定するだけなんだけど、スペイン語はダブルで否定するのよ。
No lo sabe nadie. = Nobody knows it. = Anybody doesn't know it. ってことっす。

ところがだね、語順によってはダブルにならない場合があるんですわ、面倒なことに。
No lo sabe nadie. = Nadie lo sabe.

えー、文法的に言うと、「動詞の前に否定語がある場合は、no は不要」ってとこかな。
「動詞の後に否定語がある場合は、動詞の前に no が必要」とも言える。
つまり、最初に (動詞が出てくるより前に) 否定か肯定かをはっきりせい! ってこと。
最初に耳に入ってくる言葉で、否定か肯定かを確認してるんだろうな、きっと。

うーむ、分かりましたかね?
耳と口が慣れちゃえば何でもないんだけど、文法的に理解しようとすると難しいんだよね。

ほいじゃ、嫌がらせで混乱を助長させる例文ですだ。
Nadie comio nada. = No comio nadie nada.
要するに、誰も何も食べなかった、ってことなんだけどさ。
あ、ちなみに comio は、comer の点過去三人称単数ね。
どうですかね? 何とか理解できましたか?

まあ、こうやって説明すると分かり難いんだけど、日本人だから分かんないんじゃなくて、
ネイティブだってこの手の表現は混乱するわけ。
文学作品なんかでは意図として使うんだけど、普通の会話ではシンプルにしゃべるよね。

日本語でも同じことで、「それが真実でないと言えない人はいない」って、真剣に考えないと
何言ってんだか分からんじゃないですか。
だから、必要以上にこだわる必要はないと思いますね。
そんな時こそ、元気に「No entiendo」って、言い放ちましょう!

てなとこで、否定は終わり。
くれぐれも、簡単に「Si」って言わないでちょーだいね!

「Noと言える日本人」の結論:
分からん時は分からんと言うべし。
動詞の前に否定語があれば、no は不要。
否定語が動詞の後にある時は、動詞の前に no を付ける。


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