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卑怯道奥義大全

be動詞シスターズ

英語のbe動詞にあたるのが、serとestarです。
そう、面倒くさいことに2つもあるんですよ。
でも英語と同様に、be動詞はムチャムチャ重要なので、何としてでもマスターせねば
ならないのであります。

じゃ、まずbe動詞シスターズのキャラクター紹介ね。
お姉さんのserは、非常にまじめで身持ちが固く、一度こうと決めたらテコでも動かない。
一方、妹のestarは、その時の気分次第で、チャラチャラと言うことが変わる。

ははは、さすがにもうちょっとマトモに説明しますか?
ser: 永続的な状態や性質を表す。名詞を補語にできる。
estar: 一時的な状態や性質を表す。名詞を補語にできない。

名詞に関しては問題ないでしょ?
Soy japones. (私は日本人です)
Son doctores. (彼らは医者です)
Estoy japones.とか、Estan doctores.とは言わないってことですね。

問題は形容詞の場合ね。永続的か一時的か?
Arberto esta cansado. (アルベルトは疲れている: 一時的)
Maria es amable. (マリアは親切だ: 永続的)
「親切」は永続的か? なーんていう哲学的疑問は挟んではいけません。

でも、その哲学的な疑問は的を得ていて、永続的と一時的の両方で使われる形容詞も
あるんだよね。
Diana es alegre. (ディアナは快活だ: 永続的性格)
Diana esta alegre. (ディアナはご機嫌だ: 現在の状態)

さらに言うと、このロジックに当てはまらないケースもある。
Soy feliz. (私、幸せよ)
「幸せ」は一時的状態だと思うんだけど、なぜかserを使うんだよね。
今の幸せを永続的なものにしたいという願いが表れてるのかもしれないけど。

しかし、どうもきれいに割り切れないよね。混乱が残る。
思い切った割り切りが「売り」の卑怯道としては、とても静観できる状態ではありません。
そこで!
卑怯道としては、「形容詞にbe動詞はつけない」という荒業に出ます。

形容詞っていうのは、感情か状態を示すわけですよ。
気持ちいいとか、ねむいとか、早い遅いとか、きれいとか、安いとかね。
実際に形容詞を使う状況を考えれば分かるんだけど、主語を規定する必要がないことが
多いんですな。たぶん一番多いパターンは、感想を聞かれてそれに答える場合。

例1:
「昨日、例の映画、見に行ったんでしょ? どうだった?」
「ムチャムチャ良かったよ!」

例2:
「このセーターいくら?」
「360ドルでございます」
「高っけー!」

ほら、こんな感じの会話の流れだと、主語なんて要らないでしょ?
最適なのは感嘆文ですね。
卑怯道としても、形容詞にbe動詞をつけない代わりに、感嘆文にすることをお勧めします。

感嘆文は、すっごく簡単だから、何の苦労もない。
「Que+形容詞」ですな。Queは英語で言うところのWhatね。
Que bueno!とかQue caro!とか言ってれば用は済むよ。

感嘆文がイマイチ適さないものもあるにはある。cansadoとかね。
「なんて疲れてるんだろう!」ってのは、非常にレアな表現ですわな。
そんな場合は、形容詞だけでもいいんだけど、語呂が悪いので、muyをつけちゃいましょう!
muyは英語のveryですな。muy bien = very goodね。

疲れた顔して、「muy cansado...」って言えば、Estoy cansadoの意味に決まってるからね。
感嘆文だとしっくり来ないケースは、muyで行きましょう!

他にも例はたくさん挙げられるんだけど、長くなるのは嫌なので、自分で調べたり考えたり
してみてちょ。be動詞はほとんど不要だということが分かってもらえると思いましゅ。

とにかく、コミュニケーションを成立させるには、沈黙しちゃダメだよね。
「永続的か一時的か?」なんてことを考えている間に、会話が途切れちゃったら、何の
意味もないでしょ。本来は、間違ってても通じるんだから、ガンガン適当にしゃべっちゃえば
いいんだけど、そういういい加減さって、日本人は苦手だよね。
それだったら、動詞が入ってない方がよっぽどいい。

そうですね、文法的正確性を無視してしゃべるコツは、「ラテンのノリ」に徹することかな。
「ひゅーひゅー、ガタガタ言わんと踊ったれー! とりゃーー!」
って感じかね。
ま、人格はちょっと変わっちゃいますが。

そんなこんなで、be動詞シスターズの活用一覧を載せときます。
estarは、一人称単数以外は普通の活用なので、楽勝でしょう。
serは超ウルトラ不規則活用だけど、最重要動詞なので、ひたすら丸ごと覚えて下さい。

最小限の語尾変化でコミュニケーションを成立させるのが卑怯道のモットーでありまして、
そのためには、助動詞の多用、過去分詞の多用、受動態の多用、などのテクニックを
使うんですね。今回のbe動詞、特にserは、その意味で本当に重要なので、死ぬ気で
マスターしてくんなまし。

「be動詞シスターズ」の結論:
永続的serと一時的estar。
よく分かんなかったら、はずしちゃいましょう!
ただし、語尾変化だけは絶対覚えとくこと。



ser(頑固) 単数 複数
一人称 soy somos
二人称 eres sois
三人称(二人称他人行儀を含む) es son

estar(移り気) 単数 複数
一人称 estoy estamos
二人称 estas estais
三人称(二人称他人行儀を含む) esta estan


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