日本人は、英語をかなり長い間勉強するせいで、英語が外国語のすべてだと思ってるようなところがあるよね。だから、英語以外の外国語に抵抗がある人が多いんじゃなかろうか。
だけど実際には、言語としての英語は一般的とは言えない。名詞は男性・女性がある方が普通だし、動詞の語尾は主語によって変化するのが当たり前でしょう。
ドイツ語みたいに前置詞が語尾変化する悪魔の文法もあるしさ。
ちょっと横道にそれるけど、英語の発音についても、アメリカ人のはメインストリームじゃないよね。あれは北米地方の方言。あんなに汚い音を、世界共通語なんて言って笑わせちゃいけません。
世界共通語としての英語という意味では、標準の発音はアジア人じゃないかね? インド人だと癖がありすぎるから、中国人とかね。タイ人とかもいいかもしんない。
ま、そんなことはどーでもいいので、本題の性別の話をしますか。
名詞の性別
名詞の性別に関しては二つのポイントがあります。
@名詞そのものの語尾変化。
Aその名詞にくっつく冠詞。
語尾変化そのものは簡単なのよ。
「a」で終われば女性で、「o」で終われば男性ですね。
人名でも、男女両方に使われる場合がありますな。Antonio君とAntoniaちゃん。
もちろん例外はあるんだけど、そんなにたくさんあるわけじゃないし、とりあえず覚えなくていいです。
何でもいいの、そんな微細なことは。
覚えるのは「aは女性、oは男性」ってとこだけでよろしおます。
重要なことは、Aの冠詞の扱いなんですね。
しかしねえ、冠詞は難しいよ。英語でも最難関の一つでしょう。
「theなのか、aなのか?」は、非ネイティブの私たちにとって、永遠のテーマじゃなかろうか?
もっとも、スペイン語の冠詞は、英語ほどシビアじゃないような気がしてます。
全部theにしちゃっても、英語ほどの違和感はないんじゃないかな、たぶん。
と言うわけで、スペイン語にも、the系列とa系列の二種類あります。
el、la、los、lasが、the系列。
un、uno、una、unos、unasが、a系列。
がっはっはっは!
何が何だか分からんでしょ? たくさんあるし。
いや、本当はね、ちゃんと分類すればそれほど難しくないんですよ。論理的だし。
だけどさ、頭で理解したからって、現場で使えるわけでもないじゃないですか。
というわけで、卑怯道としては、「冠詞は付けるな!」と言いたい。
いらねーよ、そんなの。名詞だけあれば意味通じるもん。
名詞はそーゆーことで割り切りましょう! 冠詞使用禁止!
「名詞の性別」の結論:
男性は「o」で終わる。女性は「a」で終わる。冠詞は付けない。
形容詞の性別
そんじゃ次に、名詞じゃなくて形容詞の話。
日本人がちょっと面食らうのは、形容詞の性別ですかね。
名詞にくっつける場合は、簡単なんですよ。
muchacha bonita = pretty girl
muchacho bonito = pretty boy
あ、ちなみに語順は「名詞+形容詞」が基本ね。something elseと同じ順番ですな。
ちょっと脱線。
名詞に性別があるのは面倒かもしれないけど、muchachoひとつで、英単語2つ分のボキャブラリーを得られるのは悪い話じゃないと思いませんか? 英語だったらboyとgirlの2単語覚えなきゃいけないところが、muchacho一つで済むんだから。以上脱線終わり。
実は、さっき無視した冠詞なんだけど、冠詞を形容詞だと思うと分かりやすかったりする。語順は逆になるけど。
una muchacha = a girl
un muchacho = a boy
unは、本当はunoなんだけど、形容詞として使われる場合(名詞にくっつく場合ね)は、oが落ちてunになっちゃう。ちょっと面倒くさいから、よく分かんない人は気にしないでいいです。
せっかくだから、複数形の変化も見ときますか。
muchachas bonitas = pretty girls
muchachos bonitos = pretty boys
unas muchachas = (some) girls
unos muchachos = (some) boys
las muchachas = the girls
los muchachos = the boys
ただね、複数形はあんまり気にしなくていいです。
というのは、中南米では、語尾のSは発音しないケースが多いから。Buenos diasはブエノ・ディアにしか聞こえないもん。つまり、複数形の語尾のSも、あんまり聞こえないんですよ。読み書きのために仕組みは理解する必要があるけど、話したり聞いたりするには全部単数でも何とかなるっしょ。
ここまで分かりましたかね? 名詞も形容詞も、両方揃って語尾変化するってことです。
さて、語尾変化の仕組みが分かったところで、実態として分かりにくいケースを挙げてみますだ。
色々例を出すと面倒くさいから、代表的なところで感嘆文ね。
感嘆文そのものの文法的説明はいずれどこかでやるので、ここでは形容詞の使い方だけ気にしといてちょ。
Que bonito! 可愛いものが男性名詞の場合
Que bonita! 可愛いものが女性名詞の場合
つまりですね、友達が連れてる甥っ子を見て「まあ可愛い!」っていう場合が、Que bonito!
で、姪っ子だったら、Que bonita!になると言うことです。
説明自体は簡単なんだけど、実際には、その名詞が男性か女性か分からんことがあるわけですよ。この人形が可愛いって言いたい。しかし人形って何て言うんだ?
やっぱ女性なのかなあ。うーん、分からん・・・ てな感じですね。
そこで、卑怯道では「困った時は男性形」をお勧めしたい。大丈夫大丈夫、間違ってたら、相手が教えてくれるって。
この「困った時は男性形」で、唯一トラブルに発展する可能性があるのは、口説き・ナンパ系行動の場合ですね。相手の女の子に「何て可愛いんだ!」って言いたい時に、「Que bonito!」は、さすがにマズイっす。中南米人を口説きたい人は、ちゃんと名詞の性別を覚えて下さい。
形容詞関係は結構深いんだけど、ま、とりあえずこんなところで止めとこう。
「形容詞の性別」の結論:
名詞とセットで語尾変化してね。
形容詞だけの場合は、隠れている名詞の性別を突き止める必要あり。