学術的にでなくゲリラ的にスペイン語を習得 旅行会話も発音も文法も翻訳も手抜き・簡単・速習で関係者おすすめのスペイン語講座


卑怯道奥義大全

困った時の進行形

卑怯道では、語尾変化を最低限にすることを重視してるけど、だからといって現在形
だけで話をしろって言ってるわけじゃない。
現在形で話すシチュエーションって、限られてるからね。

特に、一人称単数を現在形で使うのは、すごくレア。
ま、これは冷静に考えてみれば当たり前なんでね。
「私」を主語にする場合、しゃべる内容ってのは、「〜したい」とか「〜できる」とか、いわゆる
助動詞を伴う言い方がほとんどですな。
「もう帰りたいなあ」とか、「そんなのできないもん!」とかね。

一人称単数をよく使うのは過去形だね。
「昨日○×に行ったんだ」とか、「そういえば去年も彼に会ったなあ」とか。

もっとも、何よりもよく使うのは、合いの手みたいな感じのどーでもいい言葉だろうな。
「何、何、何の話?」とか、「それで、どうよ?」とか、「何でもないって」とか、「まあまあね」
とか、「あー、やだやだ」とかね。

朝から今まで、自分がしゃべった内容を振り返ってみると、よく分かると思う。
ま、おおむねロクな話はしてないものですよ。

そんな中、一人称現在にとって結構使用頻度が高いのが、進行形であるな。
進行形には、いい点がたくさんある。思い付くことをいくつか挙げておこう。

1. 文法が簡単(例外も少ない)
2. 現在形で話す必要がある場合に、現在進行形でごまかせる。
3. 動名詞(いわゆる「-ing」ね)として応用範囲が広い。
4. 線過去を過去進行形で代用できる。

1番は書いた通りですな。
2番の意味では、私も時々使いますね。だって、不規則動詞の一人称単数の現在形なんて
ほとんど覚えてないんだもん。

3番も便利ですな。名詞代わりにも使えるし、現在進行形の発展形で、「〜し続けている」も
慣れると便利。あとは形容詞っぽい使い方ね。「〜している○×」ですな。
4番は線過去が分からんと何の意味もないから、とりあえずいいや。

さて、ほんじゃま、本題に行くべか。
あ、その前に、ひとついいニュースを教えとこうかな。

ここのところ、ずっと動詞の活用について説明してるんだけど、今回の進行形で一応
ひと通り終わりざんす。
これまでに何をやったかって言うと、
・現在形の人称に応じた活用(hablar: hablo, hablamos & habla, hablan)
・完了形 (comprar - comprado, vender - vendido, venir - venido)
ってとこやね。これに今回の進行形でおしまい。

本当はこの他にも、点過去と線過去、未来(「ir + a + 不定形」じゃない方)があって、
さらに、過去未来、接続法現在、接続法過去、命令形、なーんてもんがあるんだな。
いやー、全部やろうと思ったら、気が遠くなりまんがな。

せっかくだから、動詞の活用について、卑怯道の見解をまとめてみっか!
あ、すでに語尾変化と決別した人は、すっ飛ばしてね。混乱するだけだから。

1. 直説法現在
一人称単複と三人称単複のみ覚える。二人称は捨て、なんなら一人称複数も捨てる。

2. 直説法点過去
原則として無視。現在完了でごまかす。

3. 直説法線過去
現在完了でいくか、過去進行形で凌ぐ。いくつかの頻出表現は丸ごと覚える。

4. 直説法未来
「ir + a + 不定形」でええやん!

5. 直説法過去未来
あー、いらんいらん! ごく一部の表現だけは、ちょっとやるかもしれん。

6. 接続法現在
やめようよ、これは。文章書くんじゃないんだから。

7. 接続法過去
こんなもん覚える暇あったら、単語覚えなさい!

8. 命令形
語尾変化しない卑怯な命令形で戦う。

うーむ、こうやって整理してみると、割り切りが小気味よいな。
結局、直説法現在で全部まかなおうとしてるわけやね。
そうねえ、会話全体で見ると、1番が50%、2番が25%、4番と8番で20%、残り全部で
5%くらいじゃなかろうか。たまにしか使わんもんまで覚えるこたーない。

おっと、いかんいかん、こんなことしてたら、前振りだけで終わってまうやん。
ま、でも、進行形も簡単だからね。説明は一瞬で終わるだろうて。

進行形は、「be動詞estar + 現在分詞」
現在分詞は、
アール動詞: 「-ando」
エール動詞・イール動詞: 「-iendo」


以上、おわり。じゃーねー、またらいしゅー!
ってわけにもいかんか。少しは説明しますかね。

前回やった完了形に似てるでしょ?
だから、敢えて続けて取り上げたんだけどね。混乱を避けるために。
いくつか例文だす。

She is eating a hamburger. = (Ella) Esta comiendo (una) hamburguesa. [comer -comiendo]
What are you speaking? = Que esta hablando? [hablar - hablando]
I am reading a book. = (Yo) Estoy leyendo (un) libro. [leer - leyendo]

お、もう気付きましたか?
そうなんですよ。エール動詞とイール動詞の場合は、「-iendo」じゃなくて、「-yendo」になる
場合があるんですよ。

まあでも、しゃべってる分には、あんまり気にしなくていいんじゃないですかね。
leerは「レエール」なので、-iendoだと「レエイエンド」になって、必然的に、「レィェンド」に
なるわけでね。ま、Yなので、「レジェンド」と発音する人も多いですが。
塾教師的に言うと、動詞の語幹部(-er/irの前)が母音で終わってると、-yendoになります。
スペイン語は二重母音がないから。incluir -incluyendoとかね。

あと、微妙に一部が変わるケースもある。
代表的なところでは、「decir」が「diciendo」、「venir」が「viniendo」ってとこかな。
これも、「デシエンド」とか「ベニエンド」って言っても通じるから、あんまり気にすることも
ないわな。何度も間違ってると、相手に指摘されて、そのうち覚えるって。

この手のわずかな例外を、一生懸命覚える人っているよね。
それはねー、はっきり言って、効率悪いよ。
不規則変化のような例外っていうのは、必然性があって例外になるんですよ。
長い間使われていくうちに、より楽な方、より自然な方に変化していくわけです。

例えば今の「デシエンド」とか「ベニエンド」って、発音したときに違和感がある。
これは、聞き慣れてないから変、って言うだけじゃなくて、口の動きが不自然なんだよね。
私は専門家じゃないから、ちゃんと説明できないんだけど、快適な舌の動き方とか、
喉の開き方っていうのがあるんだと思う。
だから、机の上なんかで覚えてないで、ガンガン使うことが大事なんよ。

日本語でも「れる」「られる」の問題ってあるっしょ?
「食べれる」とか「走れる」とか「しゃべれる」とかね。
あんなの文法的に説明できるか?
ま、専門家はできるんだろう。
「なんとか段の、なんとか活用が、なんとか音便になりやすいんですね」
知らねーよ、そんなの。

「れる」と「られる」の使い分けって、音の響きと口の動きに違和感がないかどうかで
決めてるわけでさ。文法的解釈に乗っ取って使ってるわけじゃないでしょ。

ま、とにかく、しゃべることですな。
読み書きだけじゃ全然駄目だし、聞くだけでも足りない。
実際にしゃべって、口の筋肉に覚えさせるのが、一番の早道ですよ。
(と、特命リサーチ200Xでも言ってたぞ)

何だか今回は、関係ない話がほとんどですな。
進行形の話なんて、数行しかしとらんぞ。
ま、いいや。卑怯道なんてそんなもんよ。

「困ったときの進行形」の結論:
estar + 「-ando」「-iendo」「-yendo」


inserted by FC2 system