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卑怯道奥義大全

文章はつなげてナンボ

一般的なスペイン語のテキストで、私が一番気に入らないことは、接続詞についての
説明があまりにオソマツだという点ですね。

ま、確かに接続詞そのものの文法説明なんて、これと言ってないのよ。
接続詞自体が変化するわけじゃないし (「y」と「o」はするけど)、本文も接続詞の有無で
変化するわけじゃないからね。文法事項としては大きな問題じゃないんだろう。

だがしかし!
しゃべるという意味においては、接続詞の存在はあまりに大きいですぜ。

私がスペイン語を使い出した頃、貧弱なボキャブラリーと、いい加減な文法理解しか
持ち合わせていないにも関わらず、「お前はスペイン語うまいな!」と言われていたのは、
接続詞の使い方にあったのではないか? と、今では思っとります。
巷のスペイン語学習書も、接続法なんて言って謎の語尾変化を説明する暇があったら、
接続詞そのものをきっちり扱ってほしいやね。

ま、それはそれとして本題に行きますか!
動詞の説明をしてる時、普通の動詞よりも助動詞が重要だ!って何度か言ったよね。
その言い方を借りれば、文章そのものよりも接続詞の方が大事だ!ってことですな。
文章そのものは、文法が間違ってようが何だろうが、大体想像がつくからいいんだけど、
接続詞、すなわち文章のつなぎ方は、間違うとまったく逆の意味になったりするのよ。

これは日本語で考えれば理解してもらえると思う。
クラスのアイドルA子ちゃん:「ねえ、これから一緒に食事しない?」
大してカッコよくもないB君:「え、僕なんか誘ってくれるの? うれしいな。でも…」

この「でも」が重要なんですよ。
「でも」の存在によって、次の展開が予測できる。
「もう食事済ませちゃったんだ」とか、「次、試験なんだよね」とかね。
せっかくのチャンスなのに、どうやらB君は一緒に行けないらしい。

これが「でも…」じゃなくて、「それじゃ…」だったらどうです?
「どこに行こうか?」とか、「C君も一緒でいいかな?」とか、いずれにせよ行きそうだよね。
つまり、文章そのものが不完全な場合でも、接続詞さえちゃんと使えていれば、意味が
正しく伝わる可能性が高くなる、と言うことです。
逆に言えば、どうせ文章はインチキなんだから、接続詞は正しく使っとこう!ってこと。

ちゅーわけで、具体的に見ていきますかね。

y = and、o = or
y = and、o = or なんだけど、後に続く単語によって、y → e、o → u に変わることがある。
◆ y → e: 次が「i」か「hi」で始まる場合。
Es sorpresivo e importante. = It is surprising and important.
◆ o → u: 次が「o」か「ho」で始まる場合。
Huevo revuelto con jamon u hongos? = Scrambled egg with ham or mushroom?
要は同じ音が続くのを避けてるってことですね。

si = if
yes も si なので、しょっちゅう si は使いますね。
Si no puedo llegar al mismo tiempo, puede empezar la fiesta.
(もし一緒に着かなかったら、パーティ始めててね)
No estoy seguro si puedo terminar mi trabajo a las seis.
(6時に仕事が終わるかどうか分からないのよ)

なお、si の後に未来形は来ないと言われますが、別に通じるので気にしなくていいです。
英語もそうだけど、if 節って時制にうるさいよね。いーよ、あんなもんは無視して。

cuando = when
「いつ」の意味だけでなく、「〜した時」で使えるのも英語と同じね。
Cuando llame a casa, escuche mala noticia. (家に電話した時、悪い話を聞いた)

ふふん、この文章、過去形使ってるから分かんないでしょ?
llame は llamar の、escuche は escuchar の点過去一人称単数ですな。
接続詞を使う表現って、どうしても過去形が多くなっちゃうんだよね。
しかも、接続詞の後の文章って、現在完了を使いにくいから、卑怯道を使いにくい。
で、when の意味の cuando に関しては、次に説明する別の表現をオススメします。

al + 動詞の不定形 = when
上の例文と同じことを言ってみますだ。
Al llamar a casa, he escuchado mala noticia.
もちろん、escuchar は過去形でもいいんだけど、現在完了だと卑怯道っぽいっしょ?

porque = because = ya que
これも疑問詞と同様、英語と同じね。理由を表すわけですな。
No voy a decir adios porque creo que puedo verte otra vez.
= I don't say good-bye because I believe I can see you again.
「verte」は「ver + te」というスペイン語最難関表現のひとつなので、今は聞き流してくんな。

なお、porque と同じ使い方で、ya que もよく出てきます。
porque より口語っぽいので、私はこっちを使う方が多いですね。

entonces = then ≒ por lo tanto
porque (= because)を知ってれば要らないようなもんなんだけど、あまりにも使い勝手が
いいので、entonces は使えるようになるべきですな。最重要単語のひとつに挙げちゃうよ。
私の場合、entonces だけでここまで乗り切ってきたと言っても過言ではあるまい。

entonces は then と同じ使われ方をするので、基本は「その時、当時」の副詞です。
ところが実際に使われるのは、「だから、それでは」の意味の接続詞なんですわ。
文法上の区分は、接続詞じゃなくて副詞なんだと思うけどね。ま、どうでもいいか。

「AだからBである」と言う場合、porque だと「B porque A」になる。
entonces を使うと、「A, entonces B」になるんですね。

こいつは想像以上に便利よ。
グシャグシャ話して何だか分からなくなっちゃった時に、「エントンセス」って言えば、
それまでの話をまとめることになっちゃうからね。
パニクって訳分かんなくなった時は、entonces を使いましょう!

なお、because の逆方向を表す正式なものは、por lo tanto です。therefore ですね。
「BなぜならA (AなのでB)」 = 「A従ってB」ってことですな。
ま、会話で por lo tanto はあんまり使わないので、entonces で十分でごじゃる。

o sea ≒ in another word
entonces に似てるんだけど、「言い換えれば」の意味で使うのが o sea です。
「A o sea B」で、「AつまりB」になるわけですね。
私はこれも、entonces と並んでバリバリ多用してますね。
「御破算で願いましては」みたいで好きなんだよね、entonces も o sea も。
もっとも、o sea は「合いの手」に近いですね。well とか you know とかの感じかな。

pero = but
pero の but はいいよね。単にそのままだから。
そうだ、いいチャンスだから「ペロ三兄弟」を紹介しとこうかな。
pero = but、pelo = hair、perro = dog。
ひょっひょっひょ、おもろいでっしゃろ!
だけど日本人泣かせだよね、LとRの違いに加えて巻き舌だもんな。

aunque = although
で、pero の逆方向が aunque でございます。
「A, pero B」が、「A。だけどB」ですね。「B aunque A」だと、「Aにも関わらずB」でし。
ま、because と同じパターンなので、説明は不要でしょう。

じゃ、ここで「aun三兄弟」の話もしちゃうよ!
aun = even、au'n = yet (todavia)、aunque = although。
最初の2つは同じに見えて違うんですな。「'」はアセント(アクセント)なんですわ。
非スペイン語圏のパソコン上では、アセントをこーゆー風に表記するのが普通です。
アセントは「u」の上に付くので、前後関係を間違わんといてね。

これまで卑怯道では、アセントは無視してきました。
なんでかって言うと、なくても99%までは問題にならないから。
実際に、本場のスペイン語でも、大文字だとアセント付けないのじゃよ。
だって、どう考えても話の流れで分かるもん。
今後の卑怯道も、よっぽどのことがないとアセントは付けないので、よろぴく!

なお、「まだ (〜ない)」は、todavia を使うのが普通なので、au'n は覚えなくていいな。
even の意味の aun は、結構使いますね。「〜でさえ」は強調する時なんかに便利。

como = as
「〜として、〜のように」の意味でも使えるし、「〜なので」でも使えます。
これも英語の as と同じですな。「As 〜, …」で、「〜なので…」ってことね。
ただし、「〜として、〜のように」で使われる方が多いから、「〜なので」は止めといた方が
いいかもしんないね。porque でも entonces でも表現できるわけだし。

mientras = while、durante = during
mientras が「〜している間」、つまり後に文章が来る。
durante が「〜の間」、名詞が後に来るって次第。
Mientras estudio espanol, no escucho CD. = While I study Spanish, I don't listen to CD.
Ella estuvo llorando durante treinta minutos. = She was crying during (for) 30 minutes.

出たな、怪物 estuvo! 貴様は estar の点過去三人称単数ではないか!
…何言ってんだかな。ま、これはいわゆる過去進行形ですね。
それから、mientras は無理に覚える必要はないよ。cuando (when)で代用できるから。
個人的に「ミエントラス」っていう音の響きが好きなんで、とりあえず載せてみました。

うーん、今日はずいぶん長くなってしまったな。
やっぱす接続詞は重要だからね。

ところで、今回は例文の難易度を少し上げてみました。
どんなもんでっしゃろ?
このあたりの内容を読んでる人なら、単なる初心者じゃないと思うので、大丈夫じゃないかと
思ってるんですが。点過去の活用とか、すでに自分でやったでしょ?
「もっと簡単な例文にしてくれい!」といったご要望がある場合は、掲示板に書き込み
してくんなまし。ほら、すぐ左下にリンクがありまっせ。

「文章はつなげてナンボ」の結論:
とにかく接続詞はムチャムチャ重要ってことや!


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