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卑怯道奥義大全

在庫一掃セール第2回(命令・副詞)

今回は、在庫の中から小物をふたつ、まとめてやっちゃいましょう!
誤解のないように言っときますが、命令文と副詞は、スペースの都合で一緒にしただけ。
このふたつの間には何の関連もありまへんで。

命令
スペイン語の命令は、文法的な正確性を求めようとすると、混乱が大きくなりますね。
何でかって言うと、パターンが何種類かある上に、接続法現在の概念が必要になるから。

一般的な文法書を見ても、説明にはかなり苦労してる。
二人称の肯定命令だけが命令文として説明されてる場合が多いですな。
それ以外、つまり、二人称の否定命令、三人称の命令、一人称複数の命令は、
接続法現在の扱いになってることが多いんじゃないかな。

しかしね、分からんよな、そんなこと言われても。
目は泳ぎ、脳は溶ける、って感じですわ。

そこで卑怯道は思い切るよ!
「人に命令しない!」

がっはっはっは!
どうだ、まいったか!
人に命令しなければ、命令文なんていらんもんね。

これは、冗談で言ってるわけじゃないのだよ。
「〜しろ!」っていう命令は、使わなきゃ使わないで何とかなる。
じゃ、どうするかって言うと、命令するんじゃなくて、頼めばいいのよ。
「〜して下さい」って言えばよろし。これであなたも紳士淑女に早変わり!

命令ってのは、二人称に対してするもんです。
つまり、「お前」「きみ」に対する依頼が、命令の形を取るわけだよね。
命令に限ったことじゃないけど、二人称ってのは、仲の良い友達、恋人同士、家族間、
対奴隷、喧嘩、なんかで使うわけです。
従って、命令が依頼になっても、日本人が旅行や生活する上では、ほとんど支障はない。

ま、現地人の恋人ができた場合はちょっと問題ではあるな。
ベッドの上で三人称を使われたら、さすがに腰砕けになるような気がする。
まあ、そのケースは、彼女なり彼氏に少しずつ教えてもらって慣れていってくんな。

つーわけで、卑怯道では、命令は依頼にすり替えるよ。
もっとも、この「依頼」は文法上、「三人称に対する命令」になるんだけどね。

よっしゃ、ほいじゃ、本題に行きまっせ!
三人称に対する依頼(命令)は、2つの表現方法があります。
ひとつは接続法現在を使う形、もうひとつは不定形をそのまま使う形。
当然のごとく、卑怯道では、不定形そのまま一本で勝負させていただきます。

(No) Cerrar la ventana.
(No) Cerrar la ventana, por favor.
Favor de (no) cerrar la ventana.
最初の形が基本型。次が please を付けた場合。最後が私の愛用するパターン。
ま、どれでもいいっすよ。この辺は好みやね。
見れば分かると思うけど、否定で言いたい時は、( )の位置に No を入れてくんな。

これで三人称の命令(依頼)はおしまい。
あとは、命令っていう感じじゃないんだけど、一人称複数に対する命令を簡単に一言。

一人称複数に対する命令ってのは、「みんなでやったろやないけ!」ってことです。
英語で言うところの「Let's ...」とか「Shall we ... ?」ですな。「勧誘」とも言うね。

「Vamos + a + 不定形」

あら、簡単! たったこれだけよん!
「やったれや!」とか「レッツゴー!」とか「とりゃー!」の意味では、「Vamos!」だけでも
よく使うんで、バリバリ使って下さいまし。

ここでちょいと注意しておくことは、一人称複数の未来と同型だということですね。
Vamos a comprar una refrigeradora.
= We will buy a refrigerator. または Let's buy a refrigerator.
ってことですな。これは前後の話の流れで判断してくんなまし。

さて、あまりにも簡単に終わってしまったね。
これだけじゃ何なので、卑怯道で無視した表現で、慣用的に覚えといた方がいいものを
いくつか挙げときましょう。

Oye! 「ねえねえ」
「oir」の二人称に対する命令。直訳は「聞け!」
二人称だから仲良しの会話なんだけど、あまりにもよく使うので載せときます。
「ねえねえちょっと聞いてよ!」って感じで、話のきっかけに使いますね。
あとは、相手が自分の言うことを聞かずに一方的にしゃべっていて、自分で話したい時に
「ねえ、ちょっと!」って感じで相手を黙らせるとかね。

Oiga! 「すいません」
「oir」の三人称に対する命令。接続法現在。直訳は「聞いて下さい」
一番よく使うのは、レストランやバーで、ウエイトレスやウエイターを呼ぶ場合。
その辺の人に道を聞く場合なんかは、「Con permiso (= Excuse me)」が普通ですね。

Venga! 「ちょっと来て」
「venir」の三人称に対する命令。接続法現在。直訳は「来て下さい」
これはそのままですな。「Venga aca!」で「ちょっとこっち来てよ」ですね。

Tenga ...
「tener」の三人称に対する命令。接続法現在。直訳は「持ちなさい」
これはいろんなパターンがある。「持つ」の意味じゃないけど、ムチャムチャよく使います。
特に旅行中は、しょっちゅう現地人に言われることでしょう。
Tenga buen viaje! = Have a nice trip!
Tenga buena suerte! = Good luck!
Tenga buena vacaciones! = Have a good vacation!

ま、これだけ覚えりゃ十分でっしゃろ。

「命令」の結論:
人に命令しようなんて考えてはならん! 頼みなはれ!
◇ 一人称複数: 「Vamos + a + 不定形」
◇ 二人称: 使わない
◇ 三人称: 「(No +)不定形(+ por favor)」
慣用的に覚えるのは、「oye」 「oiga」 「venga」 「tenga」



副詞
副詞は一瞬で終わるよん!
基本的には英語と同じね。「形容詞 + ly」がほとんどで、fast みたいな例外がある。

ただね、スペイン語の副詞は形容詞との境目がはっきりしないのよ。
だから、例外的な副詞は気にしなくていいです。
「形容詞 + ly」に当たる形だけ知ってれば、十分でごじゃる。

「形容詞の女性形 + mente」
directo/directamente = direct/directly
perfecto/perfectamente = perfect/perfectly
fuerte/fuertemente = strong/strongly
これだけのことやな。

あまりにも短いんで、無駄話をひとつ。
「本当に」は 「verdadero → verdaderamente」なんだけど、この反意語ってないんだよね。
「mentira → mentiramente」かと思ったんだけど、mentira は名詞だからね。
ただ、この「mentiramente」ってのが、なぜか現地人に馬鹿受けして、みんなが冗談で
使うようになっちゃったんですわ。
なんであんなに受けたのかは、未だに不明なんだけどさ。

そんなわけで、副詞はこんなもんで終わり。
本来、副詞なんて説明しなくてもいいようなもんなんだけど、次にやる比較で出てくるから
仕方なく説明したのさ。ほっほっほ。

「副詞」の結論:
「形容詞の女性形 + mente」


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